「9月2日終戦史観」を駁す

この前、池上あきら先生も仰っていましたが、世界の大勢は第二次大戦の終戦は9月2日だそうな。
 だから日本も世界にあわせよ?何のために?
 まったくそんな必要がないと思いますが。

 終戦というからには、戦争が終結することです。
 戦争は宣戦布告によって開始されます。
 ではどうやって終わるか?
 講和条約の発効によって終わります。せめて締結ですね。
 では日本はいつ誰に宣戦布告をしたか。
 昭和十六年十二月八日に米英両国に対して行いました。大東亜戦争です。
 十日に、支那事変も大東亜戦争に含めましたので、重慶の蒋介石政権を交戦団体と認めています。別に国家とは認めていませんが、戦時国際法を適用してあげます。
 他の国からは宣戦布告されました。特に昭和二十年に「駆け込み宣戦」してきた国が多かったですが。それ全部に関して説明しだすと大変なので、主敵である米国との話に絞ります。ついでに、これでもかと国際法違反が目に余ったソ連にも脱線しますが。

 昭和二十六年九月八日にサンフランシスコで対連合国講和条約を結びました。
(日本人が「対日講和条約」などと言ってはいけません。どこの国の人ですか?となります)
 翌昭和二十七年四月二十八日に発効しました。
 終戦はこの日です。

 では昭和二十年八月十五日は?
 前日に回答したポツダム宣言の受諾を公表した日です。
 停戦宣言の日です。米英ソ支の要求を呑んでいるのですから、その四カ国も当然停戦義務があります。というか、自分で言い出したんだから守りなさいよ、という理屈です。
 当然、この日より後に戦闘を中止しなかったソ連軍は国際法違反です。そもそも日ソ中立条約を破っている上に二重の国際法違反です。というか、ポツダム宣言にソ連も名を連ねているのに、それを受諾した日本に対し戦闘を継続するソ連って。
 そういう鬼畜の国に対して交戦した根本博中将とか日本軍は偉い!
 それにしても九月二日までは戦闘を継続しても良いのだ!とかソ連を弁護したがる日本人って何なのだろう。

 では昭和二十年九月二日は?
 正式に停戦を調印した日です。
 ここが大事なことですが、ポツダム宣言は無条件降伏ではありません。日本だけでなく連合国も拘束されます。これでもかと破りまくっている米国の数々の行為は国際法違反です。日本にその気と能力があれば、ユーゴスラビアのチトーみたいなことをやっても合法になります。というか、テロの一つも起きなかったことがアメリカを増長させました。(やればよかったとは言っていませんよ。単なる事実ですので。)

 問題は「日本対連合国」の戦いを最後に、宣戦布告で開始されて講和条約の締結・発効で終わるという意味での戦争がなくなったことです。
 国際連合憲章で、「戦争」をこの世から全部根絶しましたので。
(ちなみに全部、「紛争」にしました⇒余計悲惨に)

 では日本と連合国の戦いを、国際連合憲章に則って解釈すべきでしょうか?
 んなアホな。ですね。
 大体、日本に対する国際法違反をどさくさに紛れて、というか日本の国際法学者その他が反日的なのを言いことに、捻じ曲げてごまかそうという意図がありありの「九月二日終戦史観」に、なぜ日本がお付き合いしなければならないのか。

 日本は主権国家です。自分の国の歴史観を持つ権利があります。
 世界中の国が変なことを言っていても、同調する必要はありません。
 終戦記念日は、四月二十八日です。

追記
 八月十五日を終戦記念日とするのは以上の理由で反対です。
 ただし、八月十日に昭和天皇が「終戦の御聖断」を下していますから、その御威徳を称える意味で、国際法用語とは関係のない修辞表現で「終戦記念日」とするのには反対しません。
 そうか、日本人の大半は私より右翼なのか。笑